当院は救急指定病院として、救急医療を必要とする患者様の受け入れを24時間行っております。早朝、夜間を問わず、急患は随時受付しておりますので、お問い合わせください。TEL 03-3652-3121

疾患の紹介

疾患のご紹介

こんな症状ありませんか?

ちょっとした症状が、大きな病気につながる危険もあります。
少しでも気になることがあれば、松江病院までお問い合わせください。

 
HOME | 消化器系疾患

消化器系疾患
吐血

 

疾患の紹介

 
一般的は、食道、胃、十二指腸からの出血で、吐血の多くは血が胃液と混じり、コールタールのような、コーヒーかす、黒豆のような暗赤色で、異臭がある血液を口から吐きます。一方、喀血は、気管支、肺からの出血で、痰が混じり、より血液近い色で吐血と異なります。吐血の原因は、胃や十二指腸の潰瘍、癌が多く、他に、食道内の傷(マロリーワイス症候群)、肝硬変に伴う食道静脈瘤などがあります。胃カメラでこれらの有無を確かめることが肝要です。
< 原因 >
1. 食道 
 食道炎
 食道静脈瘤 ( 肝硬変によっておこる )  
 食道癌
 マロリーワイス症候群(嘔吐を繰り返すことで食道と胃の境目が裂けるためおこる)
2. 胃
 胃潰瘍:ピロリ菌、消炎鎮痛薬により発症すします。
 胃癌
3. 十二指腸潰瘍
< 症状 >
胸やけ
上腹部痛
< 診断・治療 >
血液検査で貧血をチェックします。
胃カメラで出血源を同定します。
 
 

消化器系疾患
下血

 

疾患の紹介

肛門からの出血で、出血が肛門に近ければ血液に近い色、遠い腸の部位では黒ずんだ血液の色となり、便に混じります。下血の原因として、痔、大腸の炎症(潰瘍性大腸炎など)、ポリープ、癌、憩室(大腸壁の一部が外側に袋状にとびだしたもの)があり、また、腸の血流障害によるものも考えられます。また、胃、十二指腸潰瘍からの出血も下血となることもあります。胃カメラ、大腸カメラによる検査が必要ですが、便中の潜血を定期的にチェックすることも大腸癌の早期発見につながります。
 
< 原因 >
1. 腸
 大腸ポリープ
 大腸癌
 潰瘍性大腸炎;大腸粘膜の炎症で潰瘍ができる
 感染性腸炎
 大腸憩室
 虚血性大腸炎:大腸の血流障害で、大腸粘膜が損傷し炎症や腫瘍ができる
2. 胃・食道
 胃・十二指腸潰癌
 逆食性食道炎
3. 肛門の痔核
 
< 診断 >
  1. 血液検査で貧血をチェックします
  2. 大腸カメラで出血源をさがし、対処します

消化器系疾患
下痢

 

疾患のご案内

 
口から入った食物は、胃、小腸からの消化液で分解され栄養として体に吸収されます。このうち、1日の飲水量が2リットルとすると消化液は7リットル合わせて9リットルの水分が腸を通りますが、このうち99%が腸で吸収され、残りの1%が便となります。下痢の原因は、暴飲暴食など口から入った食物が多すぎる場合と、食中毒、感染性下痢など、腸からの分泌物、滲出物が多すぎる場合などがあります。下痢は、食中毒や細菌、ウイルス感染などで発生した腸内の毒素、異物を排出するもので、容易に下痢薬で止めるのも良し悪しです。むしろ、下痢でおこった脱水を治すことが肝要です。
下痢をおこしている場合、腸の安静のため、絶食は基本ですが、飲水可能ならミネラルを含んだ水分の補給をおこない、補給が十分でなければ点滴が必要となります。激しい下痢、高熱、腹痛と伴う下痢、水分が取れない場合、便に血が混じる場合は早急な医療機関受診が必要です。また、原因不明の下痢が長く続く場合は、大腸癌、潰瘍性大腸炎などの病気も考えられますので、医療機関に相談してみてください。
< 原因 >
(1) ウィルス性、細菌性腸炎
 ウィルス性では、ノロウイルス、ロタウイルス、細菌性では加熱が不十分な食品摂取による大腸菌、サルモネラ菌です。
(2)  薬剤性下痢:抗生剤によって腸内細菌のバランスが崩れます。
(3) 過敏性腸症候群
(4) 大腸ポリープ、大腸癌
(5) 潰瘍性大腸炎、クローン病
< 症状 >
  1. ウィルス性、細菌性腸炎;下痢とともに腹痛、発熱
  2. 過敏性腸症候群;腹痛、下痢と便秘を繰り返す
  3. 大腸ポリープ、大腸癌;血便、下痢、便が細くなる
  4. 潰瘍性大腸炎;下痢、腹痛、発熱、血便

<日常生活上の注意>

  1. 基本絶食です。飲水が可能なら、白湯、ミネラルウォーター、スポーツドリンクで少しずつ水分補給を始めます。その後、胃腸を休める為、おかゆ、すりおろしのリンゴ、野菜スープから、食事を開始します。
  2. ストレス過多:休養、リラックスする時間をつくります。十分な睡眠を取ります。

 

消化器系疾患
腹痛

疾患のご案内

腹痛は、お腹の臓器すなわち胃腸、肝臓、膵臓、腎臓、大動脈、子宮、卵巣の炎症、感染症、血管障害、癌、寄生虫でおこります。胆石、腸閉塞、尿路結石も腹痛の原因となります。上腹部痛の場合は、胃、十二指腸、食道、胆石だけでなく心臓疾患も考えられます。下腹部痛は、大腸、尿路結石、婦人科疾患が多く、腹膜炎をおこすと重症となります。激しい腹痛、突然の腹痛、吐血、下血、発熱がある場合、冷汗をかき意識がもうろうとしている場合は、早急な血液検査、エコー、CT検査が必要で、さらには、胃・大腸カメラも考えなくてはなりません。早期に医療機関を受診してください。
 

胆石

食事の脂肪分解を助ける胆汁は、肝臓ででき胆管を通って十二指腸から分泌されますが、胆管の途中に枝分かれして一時的に胆汁を貯める胆嚢という袋があります。この胆嚢や胆管に結石ができたものを胆石といいます。
胆嚢胆石はほとんど無症状ですが、油の多い食事で胆管が収縮すると胆石が出口に詰まり右上腹部の激痛をおこします。また、胆石があると胆嚢内に胆汁が渋滞し細菌感染をおこすと胆嚢炎となります。また、胆管の胆石の場合、胆汁の流れをせき止めるため上腹部痛、黄疸が生じます。また、細菌感染をおこすと胆管炎でより重症となります。
<原因>
脂肪の多い食事が続くと胆汁中のコレステロール成分が増加し溶けきれなくなって結石となります。
<症状>
上腹部痛
黄疸 
発熱(胆嚢炎、胆管炎の場合)
<検査>
血液検査
腹部超音波検査
腹部CTMRI検査
<治療>

  1. 無症状であれば年1回の超音波検査で経過をみます。
  2. 胆嚢結石:腹腔鏡下胆管摘出手術をおこないます。

    胆管結石:内視鏡下結合除去手術をおこないます。
   3. 手術ができない場合
  対外衝撃波で結石を破砕、砕かれた結石が自然に排出されるのを待ちます。

腸閉塞(イレウス)

腸内の内容物が肛門側に移動しなくなった状態で機械的腸閉塞と機能的腸閉塞に大別されます。機械的腸閉塞は腸が狭窄したり屈曲して通過障害をおこすことで、このうち腸管の血流障害を伴った場合、絞拒性腸閉塞と呼び重症です。
機能的腸閉塞は、腸管の蠕動運動の麻痺のことです。
<原因>
腹部手術後の腸の癌着が多い
<症状>
腹痛(絞拒性腸閉塞では激痛)
腹部膨満感
嘔吐による脱水症状
<診断>
血液検査
腹部レントゲン、CT検査
<治療>
絶飲食と点滴治療
イレウス管を挿入し、たまった腸内容物を排出し、腸管内の圧を下げます。
手術後癒着性腸閉塞では、癒着した腸をはずします。絞拒性腸閉塞では手術で絞拒させた原因を除去します。
<生活との注意>
  癒着性腸閉塞は繰り返すことが多いので1回食事量の制限、繊維の多い食物を避けるようにします。また、便秘にならないように便秘薬を使います。

尿路結石

腎臓で作られた尿は、尿管から膀胱へと流れますが、この通路に石ができると尿絡結石で、尿管にひっかかると激痛がおこります。また、結石で尿が流れないと上流に尿がたまり、尿路感染、腎臓の機能障害をおこします。
<原因>
ショウ酸の摂取過多が原因のことが多く、ショウ酸を多く含む食品として、ほうれん草、コーヒー、コーラがあります。
<症状>
腹痛、背部痛
血尿
<検査>
尿検査で血尿を調べます。
腹部CTで結石の有無を確かめます。
<治療>
結石が5㎜以下であれば経過をみます。
飲水、運動を積極的にすすめます。
結石が1㎝以上では自然排出が難しく、石を砕いたり取り除いたりします。(経尿道的尿管結石破砕術)

胃潰瘍 十二指腸潰瘍

<原因>
ピロリ菌感染
解熱鎮痛剤の副作用
胃酸の分泌過多
<症状>
上腹部痛;十二指腸潰瘍では空腹時に多い
胸やけ
吐血
下血、血便
<診断>
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
ピロリ菌の確認;胃カメラで採取した胃組織検査、血液、尿、吸気検査でも可能
<治療>
プロトンポンプ阻害剤
ピロリ菌の除菌

急性膵炎

膵液に含まれる消化酵素で膵臓自体が消化され、膵臓に急激な炎症が起こる病気
<原因>
最も多いのは飲酒、次いて十二指腸乳頭に胆石が詰まることです。
<症状>
初期は、みぞおち部分の痛みで、進行すると腹部全体の激痛がおこります。
<診断>
血液検査で膵臓分泌酸素アミラーゼ、リパーゼの上昇、炎症反応を調べます。腹部超音波、CT検査で病変の広がりを評価します。