失神(意識消失)

失神は、一度意識がなくなって倒れた後、意識が戻る病気で、軽症の場合、何もしていないのにふうっとすると感じます。意識消失後、意識が戻るから良かったものの、戻らなければ死に至るとも考えられます。従って再発を防がなければならず、見逃してはならない病気が沢山あります。失神の原因では、心臓と脳が大事です。まず心臓は、脈のみだれ(不整脈)で、一時的に脈が速すぎても遅すぎても危険です。たとえば、遅すぎになりすぎると、心臓から脳に血液をおくれず脳が酸素不足になって意識がなくなります。不整脈の他に心臓弁疾患や急性心筋梗塞もあり、緊急で心電図、心エコーが必要となります。

次に脳ですが、一時的な脳血流低下(一過性脳虚血発作)、てんかんなど、再発を予防しなければならない危険な病気が多く、早急なCT、MRI、脳波検査が診断に必要です。また、くも膜下出血の初発症状が失神のこともあり、注意が必要です。幸いなことに、失神の原因の多くの場合、自律神経障害によるもので、起立性低血圧や血管迷走神経反射などもあります。

心臓

徐脈性不整脈

通常脈拍は一分間に6080回ですが、 徐脈では50回以下となり、さらに40回以下になると、失神、ふっとする、体を動かすと強い息切れを感じるようになります。

<原因>

  1. 洞性不整脈

心臓収縮の命令は、洞から心房、心室に電気信号をだすことではじまります。加齢のため洞の働きが悪くなると、規則正しいリズムの心臓収縮がみられなくなります。洞性不整脈では心臓が止まって死に至ることは稀ですが、意識を失っている時間に怪我をしたり事故に遭ったりするので危険です。

  1. 房室ブロック

心臓収縮は電気信号が心房から心室へと伝わり、心房と心室が連動して収縮する事で全身に血が送られますが、心房から心室へうまく電気信号が伝わらない場合、この心房と心室の連動が乏しく、心室から全身への血液を送る回数が減少します。これが房室ブロックです。重症度により1度から3度まで3段階あります。

<診断>

心電図、長時間心電図の波形から、洞性不整脈、房室ブロックの診断ができます。

<治療>

1度、2度では通常無症状ですが、3度でふらつき、失神のある場合、ペースメーカーが必要になります。

頻脈性不整脈

脈が速すぎて1分間の脈拍が120回以上も、心臓の効率的な収縮がなく全身に血が送りにくくなり、動悸、息切れ、めまい、立ちくらみ、失神がおこるようになります。

一過性脳虚血発作

脳幹部(意識、呼吸の中枢)に一時的に血流低下がおこると、一時的な意識障害をおこします。この場合は、手足の麻痺を伴なう事もあります。原因は脳動脈自体に血栓を生じる場合と、心臓にできた血栓がはがれて、この血栓が脳動脈を詰まらせる場合があります。生命維持装置である脳幹部の血流低下であり、極めて重篤です。

<診断>

CTMRIで、脳動脈の閉塞状態を確かめます。

<治療>

脳動脈自体の血栓では、血液をサラサラにする抗血小板薬が必要です。心臓血栓による場合は、ヘパリン、ワーファリンなど抗凝固薬が必要です。