腹痛

腹痛は、お腹の臓器すなわち胃腸、肝臓、膵臓、腎臓、大動脈、子宮、卵巣の炎症、感染症、血管障害、癌、寄生虫でおこります。胆石、腸閉塞、尿路結石も腹痛の原因となります。上腹部痛の場合は、胃、十二指腸、食道、胆石だけでなく心臓疾患も考えられます。下腹部痛は、大腸、尿路結石、婦人科疾患が多く、腹膜炎をおこすと重症となります。激しい腹痛、突然の腹痛、吐血、下血、発熱がある場合、冷汗をかき意識がもうろうとしている場合は、早急な血液検査、エコー、CT検査が必要で、さらには、胃・大腸カメラも考えなくてはなりません。早期に医療機関を受診してください。

胆石

食事の脂肪分解を助ける胆汁は、肝臓ででき胆管を通って十二指腸から分泌されますが、胆管の途中に枝分かれして一時的に胆汁を貯める胆嚢という袋があります。この胆嚢や胆管に結石ができたものを胆石といいます。

胆嚢胆石はほとんど無症状ですが、油の多い食事で胆管が収縮すると胆石が出口に詰まり右上腹部の激痛をおこします。また、胆石があると胆嚢内に胆汁が渋滞し細菌感染をおこすと胆嚢炎となります。また、胆管の胆石の場合、胆汁の流れをせき止めるため上腹部痛、黄疸が生じます。また、細菌感染をおこすと胆管炎でより重症となります。

<原因>

脂肪の多い食事が続くと胆汁中のコレステロール成分が増加し溶けきれなくなって結石となります。

<症状>

上腹部痛

黄疸 

発熱(胆嚢炎、胆管炎の場合)

<検査>

血液検査

腹部超音波検査

腹部CTMRI検査

<治療>

  1. 無症状であれば年1回の超音波検査で経過をみます。
  2. 胆嚢結石:腹腔鏡下胆管摘出手術をおこないます。

    胆管結石:内視鏡下結合除去手術をおこないます。

   3. 手術ができない場合

  対外衝撃波で結石を破砕、砕かれた結石が自然に排出されるのを待ちます。

腸閉塞(イレウス)

腸内の内容物が肛門側に移動しなくなった状態で機械的腸閉塞と機能的腸閉塞に大別されます。機械的腸閉塞は腸が狭窄したり屈曲して通過障害をおこすことで、このうち腸管の血流障害を伴った場合、絞拒性腸閉塞と呼び重症です。

機能的腸閉塞は、腸管の蠕動運動の麻痺のことです。

<原因>

腹部手術後の腸の癌着が多い

<症状>

腹痛(絞拒性腸閉塞では激痛)

腹部膨満感

嘔吐による脱水症状

<診断>

血液検査

腹部レントゲン、CT検査

<治療>

絶飲食と点滴治療

イレウス管を挿入し、たまった腸内容物を排出し、腸管内の圧を下げます。

手術後癒着性腸閉塞では、癒着した腸をはずします。絞拒性腸閉塞では手術で絞拒させた原因を除去します。

<生活との注意>

  癒着性腸閉塞は繰り返すことが多いので1回食事量の制限、繊維の多い食物を避けるようにします。また、便秘にならないように便秘薬を使います。

尿絡結石

腎臓で作られた尿は、尿管から膀胱へと流れますが、この通路に石ができると尿絡結石で、尿管にひっかかると激痛がおこります。また、結石で尿が流れないと上流に尿がたまり、尿路感染、腎臓の機能障害をおこします。

<原因>

ショウ酸の摂取過多が原因のことが多く、ショウ酸を多く含む食品として、ほうれん草、コーヒー、コーラがあります。

<症状>

腹痛、背部痛

血尿

<検査>

尿検査で血尿を調べます。

腹部CTで結石の有無を確かめます。

<治療>

結石が5㎜以下であれば経過をみます。

飲水、運動を積極的にすすめます。

結石が1㎝以上では自然排出が難しく、石を砕いたり取り除いたりします。(経尿道的尿管結石破砕術)

胃潰瘍 十二指腸潰瘍

<原因>

ピロリ菌感染

解熱鎮痛剤の副作用

胃酸の分泌過多

<症状>

上腹部痛;十二指腸潰瘍では空腹時に多い

胸やけ

吐血

下血、血便

<診断>

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

ピロリ菌の確認;胃カメラで採取した胃組織検査、血液、尿、吸気検査でも可能

<治療>

プロトンポンプ阻害剤

ピロリ菌の除菌

急性膵炎

膵液に含まれる消化酵素で膵臓自体が消化され、膵臓に急激な炎症が起こる病気

<原因>

最も多いのは飲酒、次いて十二指腸乳頭に胆石が詰まることです。

<症状>

初期は、みぞおち部分の痛みで、進行すると腹部全体の激痛がおこります。

<診断>

血液検査で膵臓分泌酸素アミラーゼ、リパーゼの上昇、炎症反応を調べます。腹部超音波、CT検査で病変の広がりを評価します。